かいがら(東書1年上)
くまのこは、だいすきなともだちには、いちばんいいものをあげようときめたのでした。
一番良い物を友達にあげる、これで思い出されるのが、アボリジニの話です。
ネットで検索すると、
アボリジニ 一番良いものは 旅人に
アボリジニの根本原理として、
部族の中で、産出される植物や動物の食料等、その中で一番よいものは、自分達で採ったり食べたりしないで、旅人が来た時に、それらを食べてもらったそうです。
『自分たちの一番大事なものは、自分たちのものではなく、他の生き物のもの』
とのようです。
熊の子は、どうして初めから縞模様の貝殻をウサギの子にあげなかったのか。
次のように会話が展開します。
- 「うみで かいがらを ひろって きたよ」
- 「うさぎちゃん、どれが すき。」
「ひろってきたよ。」「どれがすき?」と言われると、ウサギは「ああ、私にくれるんだ。」「しかも自分が一番気に入った貝殻をくれるんだ。」とは思わないだろうか。
それなのに、熊の子は「ああ、ぼくいっしょだ。」と言ったきり、気に入った貝殻を大事そうに(そっとしまって)して家へ帰ってしまう。ウサギの子は「なんだ。」とは思わないだろうか。「持って帰るのなら初めから「どれが好き?」なんて聞くなよなぁ」と思わないだろうか。
これで人間関係が悪くなったな。
- 「もし、うさぎの こが ももいろの かいがらを すきだと いったら、くまのこは、おみやげにあげるつもりでした。
そうなら、「うみで かいがらを ひろって きたよ」「これあげるよ」と言って桃色の貝殻をわたせばいいんじゃないだろうか。(まぁ、これは大人の考えだが)
「どれが、すき?」と聞いたのが間違い
- きかずに、「これあげるよ」と言うのが、トラブルを防ぐコツ
熊の子は、自分にとって一番大事な物が変わったのだね。
これがわかるためには、
- くまの こが、 うさぎの こに いいました。「うみで かいがらを ひろって きたよ」
誰と一緒に海へ行ったのかな?
海へ行くなら、泳ぎに行くね。釣りかな?海で泳いだことより、貝殻を拾ったことの方を伝えたのは、熊の子は……。
どれぐらいの時間、貝を拾っていたのかな?
- 下記の文が入った段落は第二次指導で取り扱いたいところ。うれしかったことがあるよ。
- 「ああ、ぼくと いっしょだ」くまの こも、 おなじ ものが いちばん すきでした。
- ももいろの かいがらは、二ばんめに きに いって いた ものなのです。
- そして、 かいがらを そっと しまって、 うちへ かえりました。
熊の子が縞模様の貝殻をとっても気に入っていたことがわかる言葉があるよ。
かいがらから、ウサギの子に。
はじめは二番目のものをあげようと思っていた熊の子ども、それが、一番気に入ったものをあげることにした。
昨年、嫁に行った娘と晩ご飯を一緒にしていたときのことです。もう何を食べていたのか忘れてしまいましたが、「お父さん、これおいしくないから食べて」と言われました。捨てるのはもったいないから「食べて」となったものでしょう。もったいないがわかる人間に育って父は喜んだものです。
「おいおい、お父さんのお腹はゴミ箱か?」と答えました。
「そういうときは、嘘でも良いから、これ美味しいから食べてみて、と言うんだよ」と教えたものです。
- 最終更新:2021-07-18 08:24:26